マイナンバーを拒否しても大丈夫でしょうか。そんな疑問に専門家がお答えします

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マイナンバーを拒否した場合

弊所に寄せられる質問に「マイナンバーを拒否したいのだけれど」というものがあります。
どうやらこの質問の背景には、2015年の夏頃から出回っているある噂があるようです。

マイナンバーの受取拒否が大量にあった場合、制度が廃止される?

その噂とは「国民の過半数がマイナンバーの受取拒否をすれば、マイナンバー制度は破綻する」というものです。
どうやらネット上で拡散されているようで、マイナンバーの受取を拒否したいのだけれど、大丈夫だろうかという相談が後を絶ちません。

この質問について、幾つかの観点から回答をしていきます。

マイナンバー自体は、既に設定されている

マイナンバーは住民基本台帳に記録されている住民票コードを変換することによって作成されるものですので、基本的に日本のどこかに住民票がある人には、既に自動的にマイナンバーが設定されています。
試しに、ご自身の住民票を「個人番号記載付きで」取得してみてください。
そこには受取通知をしようがしまいが、マイナンバーが記載されているはずです。

もちろんそれは住民票記載の際に、番号付きで請求したこときっかけに付与されたわけではないのです。
(マイナンバーは使い道が限定されている、秘匿性の高い情報ですので住民票に記載をするときは、請求者の求めが必要なのです)
ですので、マイナンバーの通知を拒否しても、マイナンバーが付与されないわけではないのです。

通知自体は受け取らないことができる

それとは別に、マイナンバーの通知の書留郵便を拒否することは可能です。
拒否された場合、または不在伝票に対して再送連絡をしなかった場合は、通知書面は送り主、つまり地方自治体に返送されることとなります。
そしてこのマイナンバー通知の郵便は原則として、一度のみで返送後の再返送はされる予定はないと聞いています。
(神戸市の場合です)

通知を拒否しても、罰則はない

通知自体は事実をお知らせするだけですので、それを拒んだからといってなんらかの罰則があるわけではありません。
また「マイナンバーの提供が断られてしまったら」でも解説していますが、従業員等は会社に対して、マイナンバーを提供する義務を負うものではありません。
(もちろん、社内規則などで義務を課される可能性はあります)
したがって、提供を拒否しても、刑事罰が科されることはないのです。

通知を受取拒否することで、事実上、制度破綻が見込める?

これについては予測は難しいところですが、私見としては「NO」です。
というのも、受取拒否が大量にあったとしても、政策見直しが行われるという回答は、どこに確認しても得られないのです。
更に、通知受取はあくまで「マイナンバー通知書面及び通知カードを受取る」という意味しかありません。
この受取りをしなくとも、住民票を取寄せれば自分のマイナンバーは明らかになるのです。
こうした状況下で、ここまで進んでしまった制度が取りやめになるとは、到底思えません。

マイナンバーを使用しない場合、デメリットはあるのか?

現状では、マイナンバーを日常で使用しないことへのデメリットは、目立ちません。
会社が提出する源泉徴収票も、従業員のマイナンバーが記載されてなければ、受領拒否されるわけでもありません。
あらゆる機会でマイナンバーの提供を拒めば、今までのようにマイナンバーを使ってマッチングすることはできない状況が継続されるでしょう。

とはいえ、微妙なところでデメリットを負う機会が増えると予想されます。
例えば神戸市ではこれまで、住民票や印鑑証明書を駅などに設置されていた自動発行機で取得できていました。
しかしこの自動発行機は2016年2月で撤去されることが決まっています。
代わりに、マイナンバーカードを使ってコンビニなどで住民票や印鑑証明を取得できるように、制度を切り替えていくとのことです。
この制度下では、マイナンバーカードを申請して取得していない人は、住民票等を取得するために区役所等へ赴き、窓口での手続を行うこととなります。

このように行政は今後、様々な手続にマイナンバー利用を絡めていく方針のようです。
となると、納税や社会保障、果ては行政手続等でマイナンバーを利用しない人というのが、次第にあぶり出されていくことになります。
そもそもマイナンバー制度は、脱税や社会保障の不正受給を防止するというのがその目的の一つなので、マイナンバーを利用しない人たちという層を「調査対象者」としてリスト化していく可能性は、否定できないでしょう。
(注:あくまで、弊所の個別的な見解及び予測にすぎません。このような公式発表は2015年10月現在、存在しません)

また今後、金融口座とマイナンバーの紐付けをしていきことが決定しています。
義務化は当面先ですが,そうなった暁にはマイナンバーと紐付けられていない口座の使用に、なんらかの制限や監視がつくことは、容易に予想されます。
(注:あくまで、弊所の個別的な見解及び予測にすぎません。このような公式発表は2015年10月現在、存在しません)

マイナンバーを利用しないという方は、このような不利益を被る可能性についても、考えておくべきでしょう。

それでもマイナンバーを勤め先に提供することについて、不安がある

様々な理由から、マイナンバーの提供を拒みたいと考えている方は数多くいらっしゃいます。
そうした中でも、漠然とした不安を抱えているのであれば、まずは勤め先に対して、マイナンバーの利用目的や管理状況について、しっかりとした情報提供をするように請求してください。
法令やガイドラインでも事業者や団体はそこで働く人たちに対して、マイナンバーの利用目的や安全管理措置等についてしっかりとした説明をするよう、規定されています。
マイナンバーの利用状況を確認するのは、従業員等に認められた権利です。
しっかりと確認をして、不安を解消しましょう。

もし、勤め先が説明を拒んだり不十分な説明しかしなかった場合は?

その場合は、特定個人情報保護委員会という組織の「苦情あっせん相談窓口」への相談が可能です。
ここでは、苦情の内容の伝達や、会社等の違反行為を監督する部門への取次ぎを行ってくれます。

また、弊所においても、会社への情報公開の請求や、番号法違反を監督する行政庁に対して、指導や監査等の行政指導を行うよう請求する手続の支援を行っております。
お気軽にご相談ください。